こんにちは。さこんじ(https://twitter.com/saKOnzi35)です。
会社・プライベートで昨日よりも楽しく充実した1日を過ごす為に役立つ内容を配信していきますのでどうぞお付き合いください。
今回は…
今回はストラテジー&タクティクス株式会社 代表取締役社長 佐藤義典さんが書かれた『ドリルを売るには穴を売れ』を解説していきます。
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ドリルを売るには穴を売れ
この記事は以下の方々にオススメです。
- 本を買う前に予習をしておきたい方
本を読む前に概要や学びとなる部分を押さえておくことで読書効率は飛躍的に上がります。こちらの記事を見た上で本書を読むことで読書時間の効率化、インプットの定着に繋がります - マーケティングの基礎知識に触れたい方
マーケティング初心者のさこんじが読んでも非常に分かりやすく実践的な内容です。その中で特に本書のおすすめ部分をピックアップしてご紹介します - 私生活にどう活かせるかを知りたい方
本を読んでハイ大満足っ!で終わってはいけません。本書の内容を通じてさこんじが何を学んで生活にどう反映させたのかを参考にしてください
マーケティングの本って横文字や専門用語も多くて難しそうと思っていませんか?
私の所属がマーケティング部と関わりも少なく触れる機会が無かったので、正直抵抗感がありました。本書を読むきっかけになったのは社外研修で商品を開発するプロジェクトに参加した際、マーケティングの基礎知識が必要になったからです
こちらの本、一言でいえば『マーケティング理論を最小限のカタカナで体系的にわかりやすく』纏めてくれている1冊です。
この記事を読むことで…
本書は4章の構成となっており、それぞれ前半パートが理論的な説明、後半パートが実戦・応用を分かりやすく表現するためのストーリーが描かれています。このストーリー部分がとても面白いです。そちらについては是非、本書を手に取って読んでみて欲しいので、ここではマーケティング理論を中心に解説していきます。
それでは本編へ参りましょう。是非最後までご覧ください。
本書が伝えたいこと
本書が伝えたいことその①
マーケティングとは顧客に関する全てのこと=売ることに関する全てを指します。
- 売り手=マーケティングをおこなう会社
- 買い手=商品を求めているお客様
当たり前ですが、忘れがちなことです。
お客様が「買う」時、その反対側には必ず「売る」人がいるということを常に意識しておくべきです。
その為、本書ではマーケティングを極めていくのであれば学ぶより現場で発見、感じ、掴み取る事が重要であると記載されています。理論より現場を知り考え行動することが重要です。
本書が伝えたいことその②
本書に記載されているマーケティング脳とは『日常に転がっているマーケティングのヒントに敏感でマーケティング的な思考・発想ができること』を指しています。
- なぜこの店員はこのようなセールストークをしたのか』
- なぜこんな広告のメッセージになっているのか
- なぜこのようなメニューにしたのか
マーケティング脳が鍛えられると、ヒントを発見した瞬間に脳が活性化しマーケティングに対する感度が高まります。
自分がビジネスに使う時のネタやヒントが増えていくようになるので非常に有効です。
鍛える方法を知りたいですか?
実はとても簡単っ!
自分の身の回りから学ぶことができます。
自分が何かを買った時に「なぜこの商品なのか」「なぜこの店で買ったのか」を深掘りしていくことで色々な発見に繋がります。
例を見ていきましょう。以下のようなイメージです。
- 決定事項
UNIQLOでTシャツを購入 - 買ってからの感想
エアリズムって肌着とかがメインイメージだけど、代表的なブランドがあることで商品全体にその印象を与えるということに気付く
この練習での発見は「エアリズム」の印象が商品全体のブランドイメージとして通気性の良い商品=UNIQLOとして頭に浮かんでしまうことに気付いたことです。広告恐るべし…。
こういった思考を暇があればおこなうことで、マーケティング脳は鍛えられていくと本書には記載されています。
すぐに変化があるわけではありませんが、気長に数をこなしていくことが重要です。
本書が伝えたいことその③
体系的に整理されている理論がなければ、全体を理解することができず回りに説明することができません。
そこで基本中の基本である4つを土台として学ぶ事が本書のメインテーマです。
- ①ベネフィット
-
顧客にとっての価値
- ②セグメンテーション
&ターゲティング -
顧客を分けて絞る
- ③差別化
-
競合より高い価値を提供する
- ④4P
-
価値を実現するための製品・価格・販路・広告
続いてはこの4つの理論について深掘りをしていきましょう。
マーケティング4つの基本理論
マーケティング理論その①
Aさんが工具のドリルを売っていたとします。
Aさんの売り物はもちろんドリルですが、買い手のBさんにとってはドリルの造形が素晴らしくてそれ自体が猛烈に欲しい!というわけではありません。本質としてドリルが開ける「穴」がベネフィットということになります。
普通のことに聞こえますが、売り手に回った瞬間にこの感覚を忘れてしまうのが大半です。
マーケティングとは「顧客にとっての価値」を売ってその対価として顧客からお金を頂くことです。その中心概念が「価値」であることを念頭に置きましょう。
顧客の「価値」は大きく2つに分類ができます。
- 機能的ベネフィット…早い、便利、うまい
例:ルイ・ヴィトンでいえば、丈夫で壊れにくい、アフターサービスが良い - 情緒的ベネフィット…優越感、特別感、名誉、ステータス、思い出、記念
例:ルイ・ヴィトンでいえば、達成感、ご褒美、あのヴィトンを持っている私すごい感
いわゆる人気商品についてはどっちか、もしくは両方のベネフィットを高いレベルで満たしていることが多いです。
加えて、価値=欲求と言い換えることが可能です。
この欲求を本書では3つに大別しています。
- 自己欲求…他人とは無関係に自分の中で完結するもの
例:洋服でいえば自分らしくあること、個性 - 社会欲求…他人との関係でよく思われたい
例:洋服でいえばセンスがよいと思われたい、かっこよく見られたい - 生存欲求…生き続けたい、肉体的快楽
例:洋服でいえば保温効果・皮膚の保護
ベネフィットであり、欲求を満たすことで顧客の価値を生み出すことが可能になります。
すなわち、マーケティングとは顧客の欲求を満たすための学問体系といえます。
マーケティング理論その②
セグメンテーションとは簡単に言うと…
分けられた顧客のグループを指します
ターゲティングとは…
分けられた「セグメント」のどこを狙うかを決めてこの人達に売ろうと狙いを付けた顧客を指します。
セグメンテーションとターゲティングは常にセットです。
ここで注意したいのは、分けることが目的ではなく人によってベネフィットが異なるから分けているということです。
極端な話になりますが、人が求めものが全て一緒なのであればセグメンテーションは不要になります。
セグメンテーションの種類
- 人口統計的なセグメンテーション
- 心理的セグメンテーション
性別・年齢・居住地域などの人口統計的な基準で個人顧客を分類する方法
例)女性20~34歳=F1 女性35~49歳=F2
- メリット
-
もれ・ダブりがなく倫理的で分類基準が明確で分けやすい
- デメリット
-
20代と30代を分ける際に29歳は「20代」という20歳と同じセグメントに分類され30歳は「30代」という39歳と同じセグメントに分類されることで“顧客が違うから分ける”という元々の目的に合致しているかの判断が難しくなります。
心理や行動、ライフスタイルの違いなどをベースにした分類方法
例)時計を買う人を例にベネフィット×顧客でセグメント
- 「そこそこ正確で低価格」層
正確性はそれなりに担保した上で低価格で欲しい人達 - 「正確で手間いらず」層
ある程度高額でも、正確性を求めるが電池交換などの手間を惜しむ人達 - 「デザイン重視」層
見た目重視、その為なら手間を犠牲にできる人達 - 「ブランド重視」層
高級ブランド時計などを求め、自分がどう見られるかを商品に投影する人達
- メリット
-
「人に寄ってベネフィットが違う」を前提にした場合、この手法がもっとも適している。
同じ20歳でも思考が違えばベネフィットも異なるため - デメリット
-
実行上の限界があり網羅性が弱い
明確な境界線がなく分類しても聞かないと分からないので情報の収集が非常に困難
狙いを絞る
顧客のセグメントができれば次は狙いを決める「ターゲティング」です。
ターゲティングの特に重要な3要素は以下です。
- 市場が充分に大きいことを確認する
- 競合の激しさと自社の強みを活かせる場所を探す
- 商品やサービスの価値に対して必要度の高い顧客を見つける
セグメントしてターゲティングする理由は、単純に絞らないと商品が売れないからです。
例えば、さこんじ35歳男性が…
(A)子どもからお年寄りまで万人向けに書かれたファッション雑誌
(B)30代向けに書かれた男性ファッション雑誌
どちらを選ぶだろうか。
殆どの人は後者の(B)を選択するはずです。
(A)の雑誌もめちゃくちゃ気になるんですけど~!笑
という声は一旦置いておきしょうね。
マーケティングとは一歩一歩顧客に近づいていく知的で泥臭い仕事というのが分かります。
マーケティング理論その③
極端な話、競合がいなければ選択肢は1つです。その為、『差別化』は特段不要ということになります。
しかし、実際には競合他社も同じように顧客の求めるベネフィットを提供しているので『差別化』が必須です。
ここで注意をしなければいけないことは顧客にとって業界の概念は関係ありません。
“マクドナルド”でいえば、ライバルはハンバーガーを扱うモスバーガーだけではないということです。
例)昼食を早く済ませる為に選択するのは、吉野家?それともマクドナルド?
例)子供を連れてごはんに行きたい場合は、ファミレス?それともマクドナルド?
自分の求める欲求を満たすことができれば、顧客にとって業界の垣根など関係ありません。
この前提は顧客側であればすぐに理解できるのですが、販売側に回った途端に霞んでしまうので注意が必要です。
こういった前提の中で「競合より高い価値」を顧客に提供するということは「提供する価値の競合との差」が差別化できているということになります。
本書で提示されている差別化戦略は大きく3つです。
手軽軸…早く、安く、手軽に 例)ファストフード店など
商品軸…とにかく良いもの 例)高級フレンチレストランなど
密着軸…顧客との距離が近い 例)いつものお店、馴染みの大将がいる居酒屋など
どの差別化戦略を取るのか、しっかりと方針を決めて活動する必要があります。
人事・組織・経営・カネに関わる非常に重要な選択であり、経営資源が有限である以上方向性は1つに絞るべきです。
そして、それは選ぶ差別化戦略によって、絞るターゲットが決まってくることになります。
顧客の欲求であるベネフィットを理解し、セグメントして、ターゲットを絞る過程において自身の差別化ポイントをしっかり把握し合致させることが、マーケティング理論その①~③の肯定となるわけです。
マーケティング理論その④
以下4つのイニシャルを取った、マーケティングの現場での必須要素となります。
- Product:(製品・サービス) ……これを通じて顧客に価値をもたらす
- Place:(流通・チャネル)…………顧客に価値を届ける経路
- Promotion:(広告・販促)………価値を顧客に伝える
- Price:(価格) ……………………集金し、会社に価値の対価を得る
顧客に価値を提供しその対価としてお金をもらう。
そのための具体的手段が本書で書かれている「4P」の理論となります。
具体例を見ていきましょう。
- 具体的に手に入るモノ=製品
- 顧客はあるメーカーのある野菜ジュースを買うか検討し、これを買って飲むことで初めて顧客の欲求が満たされる
※商品・サービスを通じて顧客の「価値を実現」できるのかが焦点
※何を売るか=どんな価値を提供するか=ビジネス領域の決定
- コンビニ、スーパー、自動販売機など色々なところで販売可能
- 通販や訪問販売などもある
- どこで買うか、が買い手の選択肢
- どこで売るか、が売り手のチャネル選択
- この野菜ジュースを顧客はどのようにして知るのか
- TVコマーシャル、新聞の広告、コンビニの店頭POPなど様々な方法がある
※広告で差別化ポイントを訴えることが重要(基本3欲求への刺激)
※販促とは購買を促進する仕組みのこと(サンプリング、値引きなど)
- いくらに設定をするのか
- 売り手にとっては顧客の「お金を払う」顧客の行動そのものもが「対価を得る」集金となる
- 顧客にとって価値が高ければ、価格が高くても「お金を払う」
- 逆に価値が低ければいくら安くても「お金は払わない」
- あくまで顧客は「価値の対価」として価格の高い安いを判断
マーケティングで重要なのは「一貫性」です。
4Pを分割して考えてはいけません。
なので、良い製品を作りさえすれば売れる!という訳にはいきません。
製品の「良い」「悪い」だけでは語る事ができず、その他の「4P」も連動させて初めて売れる商品が完成すします。
加えて、差別化戦略との一貫性も重要です。「手軽軸」「商品軸」「密着軸」この3つの差別化軸によっ方向性も変わってくるはずです。
今回勉強したマーケティング理論「ベネフィット」「ターゲット」「差別化」「4P」全てで一貫性を持たせることが、良いマーケティングの必要条件になります。
まとめ
本書が伝えたいことをギュッと3つに絞ってまとめました。
- 何気ない日常での買い物、そのものがマーケティングである
会議室やパソコンの前ではなく人々の日常で起きていることを見て理解する - マーケティング脳はいつでも鍛えられる
自分の身の回りから学ぶことができる - マーケティングの基礎として、知っておくべきたった4つの理論
ベネフィット、セグメンテーションとターゲティング、差別化、4Pを理解する
この中の『③』マーケティングの基礎である4つの理論について深掘りを行いました。
- ベネフィット
-
顧客にとっての価値のこと、2種類に分けることができる
- 機能的ベネフィット…早い、便利、うまい
- 情緒的ベネフィット…優越感、特別感、名誉、ステータス、思い出、記念
- セグメンテーションとターゲティング
-
セグメンテーションとは顧客を分けて絞ることであり2種類の方法を学びました。
- 人口統計的なセグメンテーション:性別・年齢などの人口統計的な基準で分類
- 心理的セグメンテーション :心理や行動の違いなどをベースにした分類
ターゲティングは売る相手の狙いを定めるため、セグメントを絞ります。
- 差別化
-
セグメント内に存在する競合より高い価値を提供しなければなりません。それは、競合他社も同じように顧客の求めるベネフィットを提供しようとしているからです。そのため『差別化』が必要なのです。
差別化戦略は大きく分けて3つ。
- 手軽軸…早い、安い、手軽
- 商品軸…とにかく良いもの
- 密着軸…顧客との距離が近い
- 4P
-
顧客に価値を提供し、その対価としてお金をもらうための具体的手段です。
- Product:(製品・サービス) ……これを通じて顧客に価値をもたらす
- Place:(流通・チャネル)…………顧客に価値を届ける経路
- Promotion:(広告・販促)………価値を顧客に伝える
- Price:(価格) ……………………集金し、会社に価値の対価を得る
まとめはこちらで以上です。
最低限知っておくべき4つのマーケティング理論!
は理解できましたか?
理論の概要を掴めたら、次は日常でマーケティング脳を鍛えていきましょう。
最後はこの本を実際に手にとって読んでください。
この記事を見た後に本書を読むと理解度は段違いです。小説など物語の読みものはオチを先に知ってしまうと面白くありませんが、インプットを目的とした本については概要を理解した上で読み進めることで、脳への定着、腹落ち感、理解度が高まります。
本を読み進めるスピードも早くなるので効率的です。
是非、この記事を読書時間の効率化に活用してください。
それでは皆様、別の記事でお会いしましょう。最後まで読んで頂きありがとうございました。
ドリルを売るには穴を売れ