こんにちは。さこんじ(https://twitter.com/saKOnzi35)です。
会社・プライベートで昨日よりも楽しく充実した1日を過ごす為に役立つ内容を配信していきますのでどうぞお付き合いください。
今回は…
アドラー心理学の第一人者である岸見一郎氏とインタビュー原稿を得意とするライターの古賀史健氏が書かれた『嫌われる勇気』を解説していきます。
この記事は以下の方々にオススメです。
- 本を買う前に予習・内容を知りたい方
本を読む前に概要や学びとなる部分を押さえておくことで読書効率は飛躍的に上がります。こちらの記事を見てから本書を読むことで読書時間の効率化、インプットの定着に繋がります - 自由を感じられず、人付き合いに疲れを感じている方
自由に生きる方法、とりわけ自分の悩みの根幹部分を理解できるようになります - 私生活にどう活かせるかを知りたい方
本書で語られる「自由に生きる」「幸福とはなにか」を知ることであなたの行動が変わります。共感できる部分からまずは考え方をシフトチェンジしてみることで心の変化を感じ取れるはずです
この本を読んだことがある人は、2回3回と読み込む人が多いとよく聞くよ!なんで何だろう?
私も3回読んでいます
毎回新しい発見があって自身の成長や考え方の変化によって気付きが増える素晴らしい良書だと思っています
今まで読んだ中で一番影響を受けた本であり、重要なマインドセットの一部となっている一冊です
この記事を読むことで…
今回の記事では本書の概要に加えてさこんじ視点の要約や解釈を織り交ぜて紹介します。
こちらの記事を見て実際に『この本を読んでみたい!』と思った方は是非、手に取って読んで頂きたいです。
それでは本編に参りましょう!
本書が伝えたいこと
本書はフロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称されるアルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話篇」という物語形式を用いてまとめた一冊です。
私が本書を読んで感じたメインテーマの「問い」と「答え」を1つ絞って発表するのであれば…
- 問い:人の『幸福』とは何か?
- 答え:『貢献感』である
…
…
ちょっと理解が追いつきません…
初見の方は「??」となる内容かもしれません。
タイトルが『嫌われる勇気』なのでこれが「問い」や「答え」なのだと思いますよね。実際重要なキーワードであることは間違いないのですが『嫌われる勇気』は「幸福」に辿り着くまでの過程で必要なもので手段に近いものです。最終結論ではありません。
あくまで幸福を感じるには『貢献感』が必要であり、それを手に入れる方法を本書は教えてくれます。
もう少し順を追って説明していきます。
本書の解説
「幸福」に至るための『貢献感』を得る方法の解説を進めていきます。
貢献感とは?
『貢献感』とはつまり、誰かの役に立てていることの実感です。
他者からの評価は重要ではありません。自身がそう感じれることが重要です。
そして、アドラー心理学では別の言い方で『共同体感覚』という言葉を使って表現がされています。
これは様々な共同体(地域・サークル・社会・学校・家族など)において「自分には居場所がある」と感じられる事を指します。
貢献感が感じられない
『貢献感』『共同体感覚』を感じられず、孤独や疎外感を感じてしまう人がいます。
その理由は総じて「対人関係」に起因しており、上下の関係で物事や関係を捉えてしまう事が原因です。本書で人の悩みは100%「対人関係」であると言い切られています。
- 自分を“下”の立場で捉えてしまう→自分には価値がない、劣っていると比較してしまう
- 自分を“上”の立場で捉えてしまう→対人関係において介入し過ぎる事態に陥いる
これでは真の友好関係は築けません。周りの人と『対等な横の関係を築く』ことで、この問題は解消していくと本書では綴られています。
『対等な横の関係を築く』には?
会社の上司も友達!タメ口で語り合っちゃうぜ
と考えてしまった方は深呼吸をして落ち着きましょう。
立場や条件・スペックなどが異なっているのは事実です。重要なのはそれでも人間として「同じではないけれど対等」なのだという事を理解し関わり合っていくことが必要です。
例を見てみましょう。
中学2年生の子供が全く勉強をしない状態だったとします。親の視点では、中学生はまだ成人しておらず生きていく上でサポートが必要です。
その上で、勉強を全くしない子供に対して親が「勉強をしなさい」と叱っていた場合、これは横の関係ではなく“上下関係”として命令・操作をしていることになります。
親御さんが命令口調になってしまう場面はよく遭遇します。コミュニケーションの難しいところです
それでも同じ人間として対等な関係を気付いていくには、親と子供双方の主張をしっかり確認し命令ではなく考えや想いを伝えていくことが重要です。
なぜ勉強が必要なのか(と親が考えているか)を伝える
勉強することのメリット、勉強しないことのデメリットを伝える
子供が困っていることや勉強したくない理由は何なのかを確認する
子供が困っていることに対して援助・サポートする準備があることを親が子供にしっかり伝える
上下関係の対処でなく、横の関係でのコミュニケーションをしていくことが親側としては重要です。このようなコミュニケーションをアドラー心理学では『勇気づけ』と読んでいます。
これは子供に対してだけの話ではありません。上司と部下の関係や夫婦関係など、仕事や家庭でも同じ事が言えます。
後述する『課題の分離』『お互いが違うことを受け入れる』などの前提条件をしっかり抑えておくことでより話の輪郭がスッキリしてくるかと思います。
『対等な横の関係を築く』とどうなる?
“貢献感“を感じることができるようになります。理屈は以下です。
他者と『対等な横の関係を築く』ことが出来てくるとサイクルを回せるようになります。
対等な横の関係を築くにはまず自分が他者へ信頼を寄せることが必要です。
重要なのは「信用」ではなく「信頼」です
「信頼」…これからの未来への期待。証拠など無しに無条件で信じて頼りにすること
「信用」…過去の実績に基づいて、証拠によって信じるさま
例、信用取引を考えると分かりやすいです。担保された保証金や過去の収入情報があってはじめて成立するもの。未来への不透明な期待をベースにはしていないので信頼取引とは呼びません。
相手を信頼することができれば、自然と信頼する相手には貢献したいという想いが湧いてきます。自身が辛くなってしまう自己犠牲ではなく、自分なりに考えて行動に移すことが重要です。
信頼する他者へ貢献し貢献感を得ることができれば、自然と自己肯定感が増していき『自己受容』=ありのままの自分を受け入れることができるようになります
STEP1に戻る↩
このサイクルを回すことで人は「ここにいても良いんだ…!」という貢献感を得ることができます。
信頼して裏切られたらどうしよう
そう考えてしまう気持ち、とても分かります。それでも変化を求めるのであれば受け身の姿勢ではなく自分から動き出すことが大切です。会社の仲間や友人、家族を改めて信頼してみることからはじめてみてはどうでしょうか。
そしてここからは『人生のタスク』と向き合って行くことで、このサイクルをより活発に循環させていくことが可能になります。
『人生のタスク』とは?
例えば、他人と収入を比べて羨むのも対人関係、容姿を気にしてしまうのも周りの人間との比較が原因です。『人生のタスク』とはそんな対人関係を軸にした直面せざるをえない課題であると言えます。
以下の3つを見てみましょう。
- 仕事のタスク
一人で完結できる仕事はこの世の中にはありません。必ず他者と協力して対応していく必要があります - 交友のタスク
広い意味での友人関係です。強制力がない為、踏み出すのも深めるのも難しい関係と言えます - 愛のタスク
これは恋愛関係、家族(親子)関係を指します。一緒にいるととても自由に振る舞える、と思えた時に人は愛を実感すると言われます。平穏で極めて自然な状態
このような各タスクから逃げずに信頼関係を築いていくことで『対等な横の関係を築く』ことができていきます。逆に、衝突や傷つく事を恐れて人生のタスクを回避してしまうと上下の関係に服従してしまったり、他者と関係を絶ってしまう事態に陥ることになります。
人生のタスクに向き合うために必要なこと
本書では、人生のタスクに向き合う為のエッセンスとして色々なやり方、考え方が紹介されています。
その中で特にさこんじが感銘を受けた3つを紹介させてください。どれも人生のタスクに向き合うことや他者を信頼する上でとても大切な内容となっています
- 課題の分離
- 勇気づけ
- 嫌われる勇気
詳しく見ていきましょう
課題の分離
対人関係で傷つくのを怖がり人生のタスクから目を背けてしまうと、逆に悩みは尽きないものになります。そうならないよう対人関係を構築していく上で役に立つのが『課題の分離』です。
『課題の分離』とは起きている事象が「自分の課題」なのか「他者の課題」なのかを見極める行為です。
その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?で判断します
例えば、子供が勉強をしないとします。その場合、最終的に勉強をしなかった結末を引き受けるのは誰でしょう?
勉強をしなかった結果、テストで悪い点を取ってしまう、受験に合格できないのも結末を引き受けるのは親ではなく子供です。アドラー心理学の立場ではこのような場合、無闇に他者(子供)の課題に介入することを認めません。
勉強を命令して半ば強制的にやらせても上下の関係になり、子供も殆どの場合反発するでしょう。
かといって、放任主義(知らない&知ろうとしない)を推奨しているわけでもありません。親や大人たちが『課題の分離』をした上でできることはたくさんあります。
- 状況を知った上で見守ること
- 本人の課題であることを伝えてあげること
- サポートの準備を整え、そのことを伝えること
どこかのことわざでこんなものがあるそうです。
その人が目指す場所(水辺)に連れてくること、共に歩むことはできても目的である「水を呑む」かどうかを決めるのは本人である。というのがよく分かることわざです。
無理やり水を呑ませても吐き出してしまいますから辛さが残るだけで意味がありません。
他者に信頼を寄せて貢献できるのは水辺に連れていくところまで。
このスタンスが大切ですし、そう考えると他者へ信頼を寄せるという行為も少し気が楽になりませんか?
勇気づけ
勇気づけとは「横の関係に基づく援助」を言います。
具体的には、上下関係に紐づく「褒める」行為はせず、お互いが違うことを受け入れることが前提の行動です。
その方法は2つだけ。
- 感謝を伝える『ありがとう』
- 素直な喜びを伝える『嬉しい』
評価でなく、率直な気持ちを伝えることで相手は貢献できた事を知ることができます。
横の関係に基づく勇気づけで『貢献感』を共有することができるようになります。
嫌われる勇気
人生のタスクに向き合う方法3選目、大トリのご紹介です。
書名となっている『嫌われる勇気』、その本質的な意味は…
自由に生きる=他者から嫌われること
と本書では説いています。
正確には他者から嫌われることを恐れて行動を制限してはならないということです。人から好かれようとする生き方は周りの目を気にしながら過ごす生き方です。他者の評価や嫌われることを恐れず、他者から承認されないかもしれないというコストを支払って、人は初めて自分の人生を貫く事ができるのです。
が
に変わり、もっと大切な事である『自由に生きる』ことこそが、嫌われる勇気の本質と言えるのではないでしょうか。
さこんじが本書を読んで一番腹落ちしたこと
さこんじは嫌われる事を恐れている人間です。
本書を読んで嫌われる勇気を理解したつもりでも、行動を変えるのにとても苦労しています。
八方美人で、断ることが苦手。飲み会に誘われればあまり気乗りがしなくても空気を読んで行ってしまう…そんな人間でした。その気質は今も残っていますが、他に自分がやりたいことがあれば「誘いは断っていい」ということを本書を読んで理解し、自由に生きるために取捨選択ができるようになりました。
そもそも飲み会は好きなので、行きたい時は行くんですけどね
大切なのは、自分で選択して実行することです。自分との約束を大切にし、誘いを断ってでも自身のやりたいことをやり遂げられれば自己肯定感もUpします。ブログを書くこと、睡眠時間をしっかり確保すること、本を読む時間を作ること、やりたいことは何だってよいのです。
上下ではなく、他者も自分も『対等な横の関係を築く』という視点に立てれば自分のことを今より大切にする事ができるはずです。誘いを断った時の変な罪悪感を感じることはまだありますが、自分で選択したことだからと割り切ることができるようになったのは収穫です。
まとめ
本書を読んだことがない方は是非手に取ってみてください。
少しでも悩みを抱えている人には絶対にささる内容があります。
さこんじは最近、仕事の忙しさや会社人事のバタバタなども重なりしんどい状況だったのでまた読み直しているところです。辛い時に原点に帰れるような本が1冊あると、かなり助けられます。
本書があなたにとってそういった1冊になってくれたら売れしい限りです。
嫌われる勇気
最後に復習です。
本記事では「本書が伝えたいこと」と題して、キーワードとなる『貢献感』を軸に解説しました。
- 貢献感とは?
-
誰かの役に立てていることの実感
- 貢献感が感じられない
-
『対等な横の関係を築く』ことができていないから。
「自分を“下”の立場で捉えてしまう」もしくは「自分を“上”の立場で捉えてしまう」ことが原因です。 - 『対等な横の関係を築く』とどうなる?
-
貢献感を感じることができます。
他者信頼、他者貢献、自己受容のサイクルを回すことで『対等な横の関係を築く』ことが可能です。 - 『人生のタスク』とは?
-
対等な関係を築く時に向き合うべきものです。
- 仕事のタスク
- 交友のタスク
- 愛のタスク
- 人生のタスクに向き合うために必要なこと
-
本書ではたくさんの提案がありますが、私からは以下3選を紹介しました
- 課題の分離
- 勇気づけ
- 嫌われる勇気
最後に、私“さこんじが本書を読んで一番腹落ちしたこと”内容をご紹介しました。
- 飲み会や遊びは無理して行かなくてよい、自分の意思で選択をする
- 他者と自分を『対等な横の関係を築く』の観点から自分をもっと大切にしてよい
この記事があなたにとって何かを変えるきっかけになることを祈りつつ…
また、別の記事でお会いしましょう。最後まで読んで頂きありがとうございました。
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