こんにちは。さこんじ(https://twitter.com/saKOnzi35)です。
会社・プライベートで昨日よりも楽しく充実した1日を過ごす為に役立つ内容を配信していきますのでどうぞお付き合いください。
今回は…
30万部を超えるベストセラー「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方」を執筆された、橘玲さんの『言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)』を紹介していきます。本書は2017新書大賞受賞作品です。
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言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)
この本を読むことでの収穫・価値
本書を端的に表現するのであれば『進化論、遺伝学、脳科学の最新知見を元に遺伝、見た目、教育、性に関する、口には出せない「不愉快な現実」の羅列』です。
“羅列”と表現したのは著者の考えや想いが書かれた作品というより、研究結果や最新の知見をテーマに沿って不愉快な真実が纏められている構成だからです。
テーマとしては、遺伝、見た目、教育、性に関する内容で私生活での議論するには扱いにくいものが多い印象です。
本書“まえがき“の初っ端には「気分よく1日を終わりたいひとは読むのをやめたほうがいい」と注意書きがされているほどです
実際、さこんじも「いやぁー…」と声が漏れそうになった箇所が何度もありました。それでも最終的には『言ってはいけない―残酷すぎる真実―
- 自分の良い点で勝負していこう
- 親が一番貢献できることは「環境を整えること」
- 「0」か「100」かの極論ではない
本書の収穫・価値その①
本書はネガティブ思考の方にはダメージを残すかもしれません。
私はスーパーポジティブな人間ではありません!
それでも、本書を読み終え「残酷すぎる真実」を突き付けられた際にネガティブな気持ちにはならず「では、今の自分で何ができるだろうか」と冷静な気持ちで自身を俯瞰してみることができました。
先天的に欲しかった容姿や能力が手に入らなかったとしても、自分は今の身体で生きていくしかありません。
無いものを嘆くより今持っているものやこれから手に入るものについて考えた方が有意義、という思考になれたのは収穫でした。
良い意味の「諦め」が私を成長させてくれた気がします。
本書の収穫・価値その②
『言ってはいけない―残酷すぎる真実―
- 論理的推論能力や一般知能(IQ)の遺伝率は68-77%、性格などの遺伝率は35-50%程度とされている
- 「わたし」の形成 = 遺伝 + 共有環境 + 非共有環境
- 一卵性双生児が違う家庭で育っても二人はよく似るケースが多い。つまり、共有環境(=家庭)以外の環境(=非共有環境)の影響が強いと考えられる
- 非共有環境とは、思春期を迎えるまでの「友だちの世界」である
- 言語性知能に限っては遺伝率14%。共有環境58%、非共有環境=28%という結果があるので家庭環境で変化する要素が高い
- それ以外はほとんど「遺伝」と「非共有環境」に左右される
例えば「身長の遺伝率66%」というのは、背の高さのばらつきのうち66%を遺伝、34%を環境で説明できるという意味です。「背の高い親から66%の確率で背の高い子供がうまれ、34%の確率で子供の背は低い」ということではありません
幼少期を経験してきた身として、思い当たる節は確かにあります。
親からの励ましや叱らせた記憶、たくさんの愛情を与えられていたことを私は覚えています。
ただ、その言葉を受け取り、真に受けて100%言われた通りに行動してきたかと言えばNOです。
例えば、親から勧められてなんとなくやり始めた習いごとはやる気、得意不得意、自身の興味、などの影響で継続困難になることも珍しくありません。
こういった場合、習いごとが続かないのは「共有環境(=家庭)」より「遺伝」や「非共有環境(=友人や仲間)」が与える影響が大きいということが書かれているわけです。
さこんじのマインドセットになっている本で『嫌われる勇気』というものがあります
【↑↑本を読みたい方は画像をクリック↑↑】嫌われる勇気
この本の一節にこんな文章があります。
ある国に「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を呑ませることはできない」ということわざがあります。アドラー心理学におけるカウンセリング、また他者への援助全般も、そういうスタンスだと考えてください。本人の意向を無視して「変わること」を強要したところで、あとで強烈な反動がやってくるだけです。
中略
そこで水を呑むか呑まないかは、その人の課題なのです。
岸見 一郎; 古賀 史健. 嫌われる勇気 (p.124). ダイヤモンド社. Kindle 版.
無理にやらせても結局は続かないので、援助する側(親)は援助する相手(子供)が興味を持つことに打ち込めるような環境を準備しておくことが大事である。と、この一節からさこんじは理解しています。
性格や知能について遺伝率が高いのは想像に難くありません。且つ、友達や仲間からの影響を受けながら興味の対象が定まっていくものと考えれば、経験的にも納得です。
素敵な友人・仲間と出会える環境の整備、子供が興味をもったスポーツや勉強、習い事には通えるよう経済的な準備しておくこと。が、親の役割として重要なのは間違いなさそうです。
『嫌われる勇気』についてはこんな記事も書いていますので良かったら参考にしてください。
自分の人生を自由に生きる方法を知り、肩を軽くしましょう。
本書の収穫・価値そのっ③
『言ってはいけない―残酷すぎる真実―
遺伝なんて言われたら、どうしてよいか分からないよ…
ネガティブに捉えてしまうと、こういった感情が湧いてきてしまうかもしれません。
お伝えしておきたいのは、研究結果・傾向があるという事実は受け止めつつも100%の決まった話しではないのだよ、ということです。本書に遺伝率が100%の事象はありませんでした。
自身の苦手なことについて、遺伝的要素が高かったとしても確定的な話ではありません。
であれば、この本を読んでも結局のところ結論は分からないわけです。
逆を言えば、ポジティブな可能性も残っていると言えますね。
本書の内容を知識として知っておくことで「残酷すぎる真実」が自身に当てはまる可能性がある、ということを踏まえて柔軟に行動出来るようになります。
遺伝や非共有環境の可能性を知らず、何がなんやら分からないまま人生に打ちのめされてしまうと対策の取り方も分からないので厄介です。
何かに躓いた時「遺伝的にも苦手な傾向があるから、頑張りどころを少し変えてみよう」といった具合に、俯瞰した行動が取れるようになれれば本書を読んだ価値があるかもしれません。
読書会での反応
さこんじは本を読む機会を定期的につくる為、会社の仲間を集めて読書会を開催しています。
現在は10名規模で課題図書を持ち回りで選び、読んだ本の感想や見解をパワポなどで簡単にまとめて発表・共有するということをしています。
『言ってはいけない―残酷すぎる真実―
意見として多かったのは以下です。
まずはプラスの意見ご紹介
続いてマイナスの意見
最後に、本書の項目で特に面白かった話しを2つほどご紹介致します。
本書のおすすめポイント
ポイント①
アニメ「サイコパス」の世界が現実に??
神経犯罪学者のエイドリアン・レインは「ロンブローゾ・プログラム」という犯罪早期発見システムが運用される近未来が紹介されていました。
何だかSFみたいなお話ね…
現在の医療技術で可能な5つの検査(脳スキャンやDNAテスト)を行うと、5年以内に犯罪を犯す確率の予測が可能だというのです。
陽性と評価されると以下の確率で犯罪を犯してしまうそうです…。
- ロンブローゾ-暴力犯罪…79%
- ロンブローゾ-性犯罪……82%
- ロンブローゾ-殺人………51%
陽性者には犯罪を犯す前に、以下の「ロンブローゾ・プログラム」を適用させるというプログラムが紹介されています。
- 陽性と評価された者は特別施設への無期限収容
- 疑似陽性回避の為の第三者による再テスト要求権利の法的保証
- 収容施設は厳重な警備下に置かれるが犯罪歴は無いことから施設内では快適に過ごせる設計
- 薬物治療や脳深部刺激療法を継続し、毎年再テストを実施
- テスト結果が正常範囲となれば保護観察を経て社会復帰
アニメをよく見ている方はもしかしたらピンッ!と来た方もいるかも知れません。
「ロンブローゾ・プログラム」は10周年を迎えたアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」シリーズの世界観ととても酷似しているのです。
アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』シリーズ公式サイト
サイコパスの世界観を少し紹介させてください。
近未来の日本は心理状態を把握するスーパーコンピューター「シビュラシステム」によって管理される社会。人生を決定する数値を「サイコパス」と呼び、職業適性考査や犯罪係数としても採用され、この数値が一定数を超えることで潜在犯として犯罪を起こす前に収監される世界です
ロンブローゾ・プログラムを参考にしていたら面白いな~
人権問題などもあるので現実世界で採用されるのは難しいかもしれません。
ただ、アニメやSFの話しだけでなく、学者が提唱しているというのは一定の説得力を感じさせます。そう遠くない未来、このようなプログラムが採用される可能性があるのかもしれません。
信じるか信じない方はあなた次第です
ポイント②
妻から母になった瞬間、夫から距離を置く事象の説明がついた?
オキシトシンとは「幸せホルモン」とも呼ばれ、女性が乳幼児に授乳や養育、保護などを行うと多く分泌されるホルモンです。
このホルモンが分泌されると「満ち足りた幸福感」を味わうことができます。
ある研究では、母ネズミにコカインか子ネズミへの授乳かを選ばせると授乳を選択する。という結果があるそうです。
中毒性のあるコカインの誘惑を退けるほど「母性愛」が強いということがこの研究結果で分かります。
ここからは本書を読んでのさこんじの考察です
オキシトシンはスキンシップなどでも分泌されることから夫婦間での触れ合いでもその効果を享受できます。
しかし、出産後は授乳開始や赤ちゃんの世話に集中せざるを得ない環境になることから「母性愛」によるオキシトシン分泌が活発になり、夫婦間での触れ合いがあまり必要にならないのかもしれません。
その場合、夫に求める役割は出産前とは異なり、子育てをする為のサポーター(金銭面/育児面)としての側面が強くなるのかもしれません。
出産後に妻の性格が変化したり夫婦間の関係が大きく変わる、といった事例を友人から多く聞いています。その理由の1つにこのオキシトシンの分泌が影響している、という可能性はあるかもしれません。
信じるか信じない方はあなた次第です!!(本日2回目)
まとめ
【↑↑本を読みたい方は画像をクリック↑↑】言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)
- 自分の良い点で勝負していこう
-
今の自分で何が出来るかにフォーカスを当てて行動するべきだと悟った
- 親が一番貢献できることは「環境を整えること」
-
子供が素敵な友人・仲間と出会える環境の整備、興味をもったスポーツや勉強、習い事に通えるよう経済的な準備しておくことが親の役割として重要なのは間違いない
- 「0」か「100」かの極論ではない
-
ネガティブな可能性もポジティブな可能性もあるのだから悲観し過ぎない。本書の内容を知識として知っておくことで「残酷すぎる真実」が自身に当てはまる可能性がある、ということを理解し柔軟な行動を取れるようになりましょう
ここまで賛否両論分かれる本は珍しく、読書会では肯定的な意見と否定的な意見が交錯し非常に楽しい議論ができました。ただ、職場で話すには少し憚れる議題が多いので注意が必要です。
この記事を通じて少しでも「この本を読んでみようかな」と思った方は是非、購入を検討してみてください。
「後で読むから今はいいや~」は勿体ないです。
もしかしたら、あなたの人生を変える本に出会っているのかもしれません。
後回しにせず、今この瞬間から行動していきましょう。
最後までお読み頂きありがとうございました。
また別記事でお会いしましょう。
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